大会論題
日本国際経済学会 創立75周年記念シンポジウム
日本国際経済学会が2025年に創立75周年を迎えるにあたり、これを記念する事業の1つとして、例年は共通論題を開催する枠において、下記の通り記念シンポジウムを行います。
テーマ:「21世紀前半における国際経済学の発展」
趣意文:
本学会が50周年を迎えた2000年からの25年間に、国際経済学は目覚ましい発展と変化を遂げた。学界では、21世紀が始まってまもなく登場したメリッツ・モデルと、その後のミクロデータを駆使した実証研究の発展により、国際貿易論は大きく発展した。国際金融論の分野でも、国境を越えた資産保有の進展など、金融市場のグローバル化にともない外国為替市場や開放マクロ経済に関する研究などで大きな進展が見られた。他方、現実の経済においても、21世紀が始まった2001年に中国がWTOに加盟し、その後、米国などの先進国において中国からの輸入が急増した。また、2008年のリーマン・ショックに端を発した金融危機は、世界的な資産価格の大規模な変動を生み、米国のみならず世界各国の経済に大きな影響を与えた。他方、2016年まではメガFTAの締結など、地域貿易協定による活発な貿易自由化と経済のグローバル化が進行したが、その後は米中貿易摩擦などをきっかけに、経済安全保障や貿易管理等の動きが進みつつある。このように、21世紀の最初の25年間に世界経済の情勢も大きく変化してきている。そこで本シンポジウムでは、過去25年間における国際経済学の研究の歩みを振り返り、本学会が100周年を迎える2050年までの25年間に、国際経済学が更にどのように発展していくのか、またどのような変化が求められるのかを展望する。
自由論題セッションについて
全国大会の「自由論題」につきましては、例年通り自由なテーマで報告希望の申し込みを受け付け、それらを幾つかのセッションに分けて構成する方法をとります。プログラム委員会では、予め以下の「セッション」を想定しておりますので、自由論題の報告希望者は、「オンライン入力」において該当セッションを選択してお申込みください。
- 国際貿易
- 貿易政策
- 国際金融・国際マクロ
- 開発経済
- 直接投資・多国籍企業
- 欧米経済
- アジア経済
- その他各国・地域経済
- 国際通商体制
- 地域経済統合
- 環境・資源エネルギー
- 国際政治経済学
- デジタル・エコノミー
- その他
企画セッション(通常)について
第76回全国大会(2017年)より「企画セッション」が設けられることになりました。代表者が事前に内諾を得た上で報告者・討論者を3名ずつ選び、セッション単位で報告を申し込むことが可能です。会員が自ら柔軟にセッションを構成し報告を申し込むことができ、様々な研究テーマに対応可能であるという点で、有意義な試みになることが期待されます。報告の可否はセッション単位で行われ、受理された場合は自由論題の時間帯に企画セッションとして開催されます。企画セッションの詳細については、「報告募集要項」の「企画セッション報告の概要」をご覧ください。
75周年記念事業関連企画セッションについて
今大会では、通常のセッションに加え、75周年記念事業に関連した企画セッションを設定することになりました。75周年記念事業関連セッションのテーマは自由ですが、75周年記念事業を踏まえ、学会の歩みを振り返るものや、国際経済学の今後を展望するものなどを想定しています。企画セッション数は(通常の企画セッションも含め)3つ程度、このうち1つはプログラム委員会で準備し、残りの2つを会員(プログラム委員も含む)から広く募集致します。75周年記念事業セッションで申し込みをご希望の方は、準備委員会までご連絡ください。
英語での報告について
「英語セッション」は本大会では特別に設けませんが、自由論題の各セッション内では英語による報告も歓迎いたします。英語による報告を希望される場合は、報告申込みの際の「オンライン入力」にて報告言語を選択してください。